【歌詞解釈】ジャニーズWEST「愛の奴隷」(1/8追記)
ジャニーズWEST5枚目のアルバム『WESTV!』の中でも、異彩を放っている「愛の奴隷」。歌詞がとても面白いです。最初は、堂本光一くんの「Slave of love」みたいな曲かなと予想したんですが、違いました笑。愛の奴隷とは全人類のことなんですね。文章を追加しました(1/8追記)。
作詞・作曲:MUTEKI DEAD SNAKE
I'm a slave!
「どこにいるの?」
「何してるの?」
「誰と一緒なの?」
疑ってるわけじゃないわ
でも不安になるのよ
メールしたり 電話したり
いつも探り合う
四六時中 恋愛ルーティン
踏み絵の繰り返し
束縛体質の彼女目線です。踏み絵=浮気してないか確かめる、ということを常にしてしまう。でも「不安になる」わりには、浮気を「疑ってるわけじゃない」んですよね。相手の行動を確かめることが恋愛ルーティン=恋愛における日課と考えている。恋愛しているなら、浮気していないか確かめないといけない、それがセオリーだと思っているのかもしれません。最初の「I'm a slave!」と関係がありそうです。
もっと下さい(愛! 愛!愛!)
愛を下さい(愛!愛!愛!)
心を満たすのは
一つよ Only Love
愛だけが心を満たす。これはまた後で出てきます 。
あなただけを見つめている
従順なる 愛の奴隷
気づけばまた 想い馳せる
悲しいほど 愛の奴隷
ねぇ これが「好き」ということなの?
自分ではわからない
私、調教済みだから…I'm a slave!
話題になった歌詞の部分です!そもそも、愛とは…?という疑問もありますが割愛します。愛の奴隷とは、愛に支配されてしまうこと、愛しか考えられなくなってしまうこと…でいいんでしょうか笑。調教済み=すでに愛の奴隷になっているため、もう「好き」という概念がよくわからない。愛の奴隷になったのが先、「好き」という言葉に向き合ったのは後、ということでしょうか。
つまり、あなただけを見つめていたり踏み絵を繰り返してしまう、この行動が「好き」ということを表しているのかわからない。なぜならすでに愛に支配されていて冷静に考えられないから。深い…。
”愛する人と結婚すれば 幸せになれる"
どうしてかな?
いつの間にか
そう刷り込まれていた
国立社会保障・人口問題研究所により2015年に行われた「第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)」によると、日本で恋愛結婚が見合い結婚より増加し始めたのは1960年代末*1 。それ以降に生まれていれば、世間の主流は恋愛結婚でしょう。1960年代末から、恋愛結婚が一般的だと刷り込まれていた…。
学校でも 仕事場でも
みんな探してる
胸が躍る 恋愛チャンス
「誰にしようかしら?」
「誰にしようかしら?」ということは、学校や仕事場内で相手を選ぼうとしていることがわかります。外部からの白馬の王子様は待っていないようです。能動的に、知り合いの中から相手を探しています。
もっと知りたい(愛!愛!愛!)
愛を知りたい(愛!愛!愛!)
心を染めるのは
いつでも Only Love
愛への好奇心が半端ないです。愛のことしか考えてない…。それはやっぱり愛の奴隷だからなんでしょうか。
この惑星(ほし)を生きる誰もが
完璧なる 愛の奴隷
ラヴ・ロマンスに憑りつかれた
ねぇ これは「人の性」でしょうか?
客観性持てない
私、調教済みだから…
「サラブレッド=恋愛結婚の家庭に生まれた子どものこと」もしくは「恋愛至上主義の世の中でさらに愛の奴隷が増えていくこと」ですかね? 「これ=愛の奴隷になること」と考えてみます。 愛に支配されてしまうことは生まれつき(あるいは運命)でしょうか。もうすでに愛に支配されてる状態だから客観的に見れない。サラブレッドと出ているので生まれつき、のほうがしっくりくるかもしれません。
まとめると、誰もが愛の奴隷であり、恋愛が当然の世の中でさらに愛の奴隷が増えていく。愛の奴隷となるのは生まれつきなのか?すでに愛の奴隷になっているから客観的に考えられない。
愛だけが 愛だけが
人を支配し 人を満たす
そういうものってあるかしら
ないわ!
Without Love!
アイヲクダサイ!
愛だけが人を支配し、人を満たす。愛以外には人を支配して満たすものは存在しない(そうなの…?)。だからこそ、この曲では一貫して愛を欲しがってるんですね。でもこの思考は愛の奴隷になって客観性が持てないゆえの考え方なのかもしれない。何言ってるのかわからなくなってまいりました。
世界はもう気づいている
この世はそう 愛の奴隷
歴史が続いてきたこと
それはつまり 愛の奴隷
自分に嘘はつけないよ
口先で否定しても
心は正直なの
今日も欲しがってるわ
私、調教済みだから…I'm a slave!
世界はもう、この世が愛の奴隷だと気づいている。以前は気づかず愛の奴隷をしていた。現在は、愛に支配されてるからこんなことしてるんだとみんな気づいている。よく考えたら恋愛結婚だけじゃなくて、お見合い結婚とかあったよね、的な?気づかないうちに恋愛至上主義になってたわ、という感じ? 歴史が続いてきたのは愛があって人が生まれてきたから。愛なんていらないと口先で否定しても、心は愛を欲しがっている。調教済みだから、愛を欲するのは条件反射。
けっこう…深い曲でした。
私は日和ってしまったんですが、社会学の学生さんはこの曲を研究すると面白いんじゃないでしょうか(丸投げ)。もしレポート書いたら教えてくださいね!
*1:国立社会保障・人口問題研究所 | 第15回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査) 37頁 http://www.ipss.go.jp/ps-doukou/j/doukou15/doukou15_gaiyo.asp