【歌詞解釈】A.B.C-Z「砂のグラス」
2020年初めての驚きは、「A.B.C-Z、飛びまーす!」でした(驚)。
作詞:亜美 作曲:瀬川浩平
終わりかけた砂の時計を
戻す その仕草
「愛してる」と「さよなら」だけは
口に出せなくて
この曲中では、砂のグラス=砂時計=恋心と読めるかと思います。それを踏まえると、「終わりかけた砂の時計を 戻す」=「恋を終わりにしようとしたけれど、やはり好きなままでいたくて想いを繰り返す」と捉えることもできます。砂時計を戻す仕草に、僕の恋心を重ねて見ています。
想いを伝える「愛してる」と、君を諦めるための「さよなら」を「口に出せな」いため、僕の恋は君には知られていない、片想いなのだとわかりました。
呼吸さえ忘れそうな僕を
あなたは知らないままで 笑いかけるね
あなたに笑いかけられると、呼吸さえ忘れそうなほど見入ってしまう。そんなことなど知らずに、あなたは無邪気に笑いかける。
頭は何度もその手を
強引に引き寄せ 君は目覚めて口づけあった
頭の中では君の手を強引に引き寄せて、君は僕を好きなのだと目覚めて口づけ合っている(口づけに応えてくれる)。そんなシーンを何度も想像している。
淡い期待 すぐに消えて
臆病な僕だけが残る
そんな未来への期待もすぐに消えてしまって、いつも想いが伝えられない僕だけが取り残されている。
終わりかけた砂の時計を
戻す その仕草
「愛してる」と「さよなら」だけは
口に出せなくて
溜め息で 曇るその瞳
あなたの心はいつも アイツが決める
溜め息をついているあなたは、「アイツ」に心を囚われている。
「アイツ」の存在があるので、僕は片想いでいるのだと思います。どんな存在なのかというと、恋人や婚約者、夫であったりするのかもしれません。
行き場の無い 悔しさ纏い
誤魔化せない痛み 育てるだけの日々が過ぎてく
僕には、その曇りを晴らすようなことはできなくて、やり切れない悔しさがある。なんとかやり過ごそうとしても自分を誤魔化せない心の痛みが、日々育っていく。見て見ぬ振りをしようとしてもできない。
時間が経てば 色褪せると
誰かの言葉 信じてみたい
時間が経てば恋が色褪せてくれる(恋を諦めることができる)という、誰かの言葉を信じてみたい。この恋を終わらせたい。
想い刻む砂の時計は
音もなく切なく
誰にも気づかれないままで
確かに積もるよ
恋心が、音もなく切なく、誰にも気づかれないままで確かに積もっていく。
砂時計にたとえていた理由が、ここに書かれているように思います。砂時計は音もなく時を刻むので、見ていなければ時が経ったことに気づかないかもしれません。ただし、どのくらい時が刻まれたのかが一目瞭然です。
-報われない- やり切れない
愛の意味を
あなたに気づかせてもらっても
想っても報われることがない、だなんて耐えられない。「愛の意味を あなたに気づかせてもらっても」の後に続く言葉は、「あなたが隣にいなくては意味がない」「あなたは僕にふり向かない」という類だと思います。
終わりかけた砂の時計を
戻す その仕草
「愛してる」と「さよなら」だけは
口に出せなくて
想い刻む砂の時計は
音もなく切なく
誰にも気づかれないままで
確かに積もるよ
静寂の恋よ
音もなく募っていく恋は、誰にも気づかれることがありません。しかし、僕自身には、確かにあなたに恋をしていた証が見えるのです。