つれづれめも

いろいろなはなし

【歌詞解釈】Hey! Say! JUMP「クランメリア」

大幅に想像で補って解釈しました。

「クランメリア」とは造語であり、「汚れた不条理な世界で真実の愛を探し続ける妖艶な女性」を意味するそうです。

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作詞・作曲:宮川大智

「サヨナラ」と 枯れた指先で紅い果実をなぞる 朽ち果てる程

心まで 溶かしてしまえよ ひび割れたこの

 「サヨナラ」をしたくて、希望も枯れた指先で、朽ち果てる程に紅い果実の輪郭をたどる。泣きすぎて涙も枯れ果てひび割れたこの瞳で、心まで溶かしてしまえよ。

不道徳な恋愛(不倫や浮気)にはサヨナラを告げようと思った。でもあの人への執着心はなかなか消えないから何度も思い返してる。あの人を思って涙も枯れ果てたこの瞳で、なかったことにしてしまえよ。

 

文を「朽ち果てる程、紅い果実をなぞる」と捉えてみました。「紅い果実」=「禁断の果実」とすると、「不道徳なこと」を指します。不道徳なことにサヨナラを告げようとしているけれど、綺麗さっぱりとサヨナラできなくて、何度も思い返してるのかな、と思いました。「心を溶かす」は、普通なら和らげるとかドキドキさせるという意味ですが、ここでは「心を溶かす」=「心という形がわからない状態になる」=「なかったことにする」としてみます。

 

静かに降り注ぐ 甚だしいくらいの無数のやいば

溢れる詭弁きべんと涙の理由わけも見出せずに

淀む未来 眩む世界 バラバラになったこの心と

ほの暗い痛み 嘆き 苦しみ でるように

私がもの静かに激しく責めると、あの人はごまかして涙まで見せる。なぜそこまでしてごまかそうとするのか理由も見つからない(不条理を感じる)。思い通りにいかない未来と(あの人との)先が見えない世界で、心はバラバラになって引き裂かれそう。後ろめたい痛み、嘆き、苦しみをまるで慈しむかのように抱えている(それが愛の代償だと思っていた)。

 

黄昏たそがれたあの闇に煙る 朧気おぼろげな街は今も 憂いを降らす

不器用で不埒な私を 抱きしめてよ さあ

夕暮れ時の曖昧になった街は今も悩ませる。不器用で不埒な私を抱きしめてよ(愛してよ)、さあ。

 

街の様子と自身を重ね合わせています。「黄昏れ」=「夕暮れ」=「盛りをすぎて衰えが見え始める」とすると、うまくいかない恋愛に苦しんでいた頃から時間が経過していることを指していると思います。あの頃の記憶は朧気になりつつあるけれど、未だに自分はその幻影に苦しんでいる、もしくはあの街で同じように苦しむ人たちがいる。語感が好きでそのままにしましたが、「不器用で不埒な」=「生きるのに不器用でそれでいて不道徳な(妖艶な)」と捉えました。

 

ゆらゆらと 揺れる旋律と汚れた蜜でなぶる 狂おしい程

どろどろに 溶かしてしまえよ ひび割れたこの瞳で

不安定に揺れ動くメロディーと、甘いのに毒のある蜜でおびき寄せてからかう。涙も枯れ果てたこの瞳で、狂いそうな程にどろどろに溶かして何もかもわからなくなってしまえよ。

 

もっとも想像で補った部分です。
この部分は、いろいろな隠喩だと思います。真実の愛がわからなくなりながらも、誘惑して探し求めている情緒不安定な心情も描かれています。「狂おしい程」がどこにかかっているのか謎で、「狂おしい程、溶かしてしまえよ」と捉えました。

 

見つけられない約束のFreedom 壊れそうなくらい愛を注いだ

機械の成れの果てなんかさ ゴミ溜めに投げて捨てるの

錆びた理想に感覚に心臓 戻れない無限の執着の回路

途端に締め付けるリズムに この身を粉々にされながら

約束された、未練からの解放なんてまだない。あの人との繋がりだった、壊れそうなくらいに愛情を注いでいたケータイなんて投げ捨てるの(繋がりを断つの)。古くさくて使い物にならない理想と感覚は、どうしてもあの人に執着してしまう道筋をたどっていて、ふいに思い出して胸を締め付ける心臓に、この身を粉々にされながら生きる。

 

遠くから耳をかすめた 未完成な愛の唄は 灰と化して

崩れて消えたはずでしょ 忘れさせてよ さあ

遠くから聞こえてきた未完成な愛の唄は、私からは消えたはずのものでしょう。あの人を忘れさせてよ、さあ。

 

なぜ愛の唄が未完成なのかというと、思いを遂げていないからだと思います。うまくいかなかったから完成させることができなかった。そんな唄が聞こえてきてしまうのは、まだ未練があるからだと考え、振り切ろうとしている場面だと思います。

 

手のひらじゃ 決して外せない紅い扉の鍵は 揺るがないまま

特別な夜を授けよう 今すぐ抜け出そうロンリネス

鍵がなくて、決して外せない紅い扉の錠前は動かない(真実の愛にはまだたどりつけない)。特別な夜をすごして、今すぐ孤独から抜け出すの。

 

静かに降り注ぐ 甚だしいくらいの無数の刃に

溢れる詭弁と涙の理由も見出せずに

淀む未来 眩む世界 バラバラになったこの心と

仄暗い痛み 嘆き 苦しみ 愛でるように

「離さないで」

 傷ついた私を見つけて、離さないで。

 

真実の愛を見つけたその先で、捕まえて「離さないで」ほしいのだと思います。誰に「離さないで」ほしいのか。

 

「サヨナラ」と 枯れた指先で紅い果実をなぞる 朽ち果てる程

心まで 溶かしてしまえよ 今すぐ骨の髄まで

 

ゆらゆらと 揺れる旋律と汚れた蜜で嬲る 狂おしい程

どろどろに 溶かしてしまえよ 今すぐ骨の髄まで

君だけのこの瞳で

 骨の髄まで、存在を溶かしてしまうほど溺れてわからなくなってしまえばいい。

 

忘れられない恋愛をして、それを引きずったまま真実の愛を探し求めている歌ではないかと思いました。でも見境なく相手を探して、自分を傷つけるような行動ばかりしてしまう。一番最後の「君だけのこの瞳で」は、特定の相手から言われていることが強調されています。それが真実の愛の相手なのかはわからないままです。

 

消化不良なのでまた書き直すかもしれません。