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小説『君が落とした青空』感想

元太くん、映画『君が落とした青空』W主演おめでとうございます!
原作の感想を書いていきます。

ネタバレ注意です。

 

 

 

原作

原作は、櫻いいよさんによる小説『君が落とした青空』。
もともとはケータイ小説サイト「野いちご」で連載されており、2012年に書籍化。修正したものが2015年に再度書籍化されたようです。2022年初春に、福本莉子さんと松田元太くんW主演映画が公開予定です。

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原作の登場人物

・実結
主人公。おそらく高校1年生。中学2年生の11月末から修弥と付き合っている。映画好き。些細なことを気にしがち。

・修弥
おそらく高校1年生。実結と高校は同じだが違うクラス。いつも前向きに考え、明るい。クラスの中心にいるタイプ。短気。

・佐喜子
実結の中学からの友人で、高校では同じクラス。実結と修弥のことをよく知っている。

・トモカ
修弥のクラスメート。

 

 

なぜタイムリープするのか?

この本は、「修弥が事故に遭う日」を実結が7回繰り返して体験する、というタイムリープものでした。同じ日を7回繰り返す中で、修弥の本当の気持ちを知っていきます。しかし7回とも必ず修弥は事故に遭ってしまいます。過程は変えられても、事故に遭う結末は変えられませんでした。
7回目のその後はどうなったのか?私は6回目までと同じ結果だったと思います。修弥がこの世からいなくなってしまう結果は変えられなかった。このタイムリープは、結果を変えるのではなく、過程を変え、実結が後悔しない選択をするために起こったのではないかと思います。7回目にその選択ができたため、きっと8回目のタイムリープはなかったのではないでしょうか。
では、実結にとって後悔しない選択とは何だったのか。それは、うまくいっていなかった修弥と向き合うことでした。結果として、実結は修弥と過不足なく向き合うために、7回のタイムリープが必要だったのでしょう。これはあとがきにもあるとおり、「思っていることの数割しか言葉にできないし、そのうち数割しか相手に伝わらない」という言葉の表れなのかもしれません。だからこそ、「どうせそうなんだろう」「わかってくれてるだろう」ではなく、日頃から相手に自分の言葉で伝え続けなければならないとも言えます。

 

 

 

毎回ぶつかってくる男の子の役割

読んでいて気になったのは、どうして「毎回ぶつかってくる男の子」という存在がいるのか、ということでした。最近『東京リベンジャーズ』を読んでいるせいで、事故のトリガーになっている…?と深読みしてみましたが違うようですね笑。強いて言うならば、修弥のヤキモチのトリガーでしょうか。そのヤキモチをどう捉え、どう対応するのかで事故までの過程が変わります。
この男の子が出てこなかった回もあります。修弥の誘いを断った時です。断った時点でヤキモチをやく必要もなく、完全に2人の心がすれ違ってしまったからでしょうか。

 

 

 

タイトルの意味

『君が落とした青空』とは、この本を読むと、「青空=笑顔」であると予測できます。しかも「青空=修弥の笑顔」を指しているように思いました。最後の章を読んでいると、足元の水たまりに青空が映し出されて、まるで空が落ちてきたかのように反射してキラキラと輝いている、修弥の笑顔のようだ、というような描写がありました。つまりこのタイトルは、実結視点で「修弥が落とした(くれた)笑顔を拾い集めて精いっぱい生きていきたい、見上げることができなくても足元にも映し出されている」という意味かなと思います。
ただ、修弥にとっての青空は実結の笑顔だったのかもしれません。誰よりも笑顔でいてほしい存在だったのです。

 

 

 

まとめ

映画楽しみです!制服を着てくれる、というのは本当に貴重だなと思います。あとは、ラストがどうなるのかも気になります。ハッピーエンドがいいなとちょっと思っています!